教育営業マンのビジネスblog

教育を売っている。教育ビジネスには、言うまでもなく、二つの軸がある。教育とビジネス。その、「ビジネス」の側面にフォーカスして語るblog。都内在住。

洞察

相手が何を考えているのか。
その発言に至った背景は何か。

すなわち、仕草、表情、発言を「発露」だとすると、それを生み出した「バックグラウンド」に意識を向けることが大切だ。

昨日、直来(直接来塾:アポイントなしでいらっしゃるお客様)のお父様の対応をした。

美しい時計をしていた。おそらく高級なものだ。
何かこだわりがあるだろうと思い、少しいじってみる。断っておくが、こういうことは滅多にしない。子どもの学習に関係ないところで話題を広げても、信頼構築にはつながらない。
しかし、半袖に、あからさまな高級時計をつけている。主張を感じずにはいられなかった。
むすっとしていた顔が、時計いじりでわずかに崩れる。ネガティブな反応ではないと思ったが、ふだん使わないフレーズで話しかけたため、そのあとを続けられなかった。

話し方。
端的に、テンポ良く話すことを好む。一を聞いて十を察する。普通のお母さんに話すのと同じ説明だと、途中で遮られる。

仕草。
渡した名刺をずっといじっていた。社会人としての常識を持っていないというよりは、相手を敬う必要を感じていないように思われた。

話したこと。
学校の成績が不振であるということは教えてもらった。しかし、学校名はわからなかった。

以上から考察したこと。

⚫︎社会的立場は高い。
  顧客に対しへりくだるような仕事やポジションではない。
⚫︎プライドが高い。
  頭が悪い人間だと思われたくない。
⚫︎息子に対するプライドもあるが、もはやそこにはこだわっていない?

学校名を言わなかったことの真意が最も重要だが、それがわからなかった。
父親自身の要求よりも低い学校に入ったのか。それにしては、成績の悪さを隠さずに話してくれた。

まだまだ、相手のバックグラウンドを読み取ることは苦手だ。しかし、この情報は次に電話や面談をする際に役に立つ。少ない情報でも生かして次につなげる。

本日の電話がけ 結果

情けないけど電話は一件もしなかった。
その結果に自己嫌悪に陥ってしまうが、原因を「感情」の部分も含めて分析しておきたい。

一番の原因は、「日曜日に出勤して何か作業をする」ということの感情コストを低く見積もっていたことだ。職場に着いて、今日23:00まで様々な作業をすると決めていた自分の計画に、「マジか」と思ってしまった。その時点で、電話がけなど実現不可能なものになっていた。

二番目に、この一週間の疲労を低く見積もっていたこと。今日は11:00に職場に着いている予定だったが、昨日家に着いたのち、ご飯も食べずにリビングのラグの上で寝てしまっていた。起きたら7:00になっていて、その後ベッドに移動して寝たら12:00だった。
よくある休日の寝過ごし。しかし、今日は自分の計画があった。それが見事に狂った。美容室の予約もあり、大幅に作業に充てられる時間が減ってしまった。

他にも多々原因はあるが、主にこのふたつ。とりわけひとつめは重大だった。20:00の段階で、限界だと思ってしまった。

感情コストは目に見えないものだが、確実に限りのあるリソースである。そのことを意識して計画を立てねばならない。

ごめんなさい。

本日の電話がけ

感覚と感情の人間なので、「数字で考える」ということがとことん苦手である。しかし、営業は「率」からは逃れられない仕事だ。今日から少しずつ実践していく。

本日の目標
⚫︎当たるネタを100件揃える
⚫︎うち20件に電話をかける
⚫︎うち1件から面談アポをもらう

行動あるのみ。

努力は連なりの中で

電話がけや紹介促進のための生徒への声がけができない。それをする間も無く生徒から講師から声がかかり、保護者から電話が来る。自分でなくてもいい電話を自分がかけ、講師と生徒のマッチングに時間を割き、時間が「対応」で埋まっていく。

まったく主体的でない状況だ。

これらの時間を減らさないと、営業のための時間は永遠に生まれない。やりたいことは本当はたくさんあるのに、やれないフラストレーションが胸につかえる。

私は、労働時間が長いことや休みがろくにないことをつらいと思うことはない。しかし、やりたいことがやれないのは本当につらい。

そのためには、教室をひとつのチームにしなくては。運営の仕組みをつくらなくては。仕組みは、すぐにはできあがらない。よい仕組みと、それを維持する構成員の習慣が必要だ。努力は、過去から現在に至る連なりの中でしか成就しない。

とはいえ。
今は今できる努力をするしかない。

今日は、夜中の2時に帰宅した。
明日は11:00に出勤する。

時間を切り売りする働き方はよくない。それでは収入は上がらない。しかし今はほんの少しの時間を割いてでも、一件の問い合わせをつくらないといけない。

業績を出すのだ。
教室をでかくするのだ。
それが私の社会貢献だ。

今日から未来にかけて、努力を連ならせるしか、できることはない。

イメージさせる力

昨日、「塾に行ったことがない」という子の面談だった。
結果、ご入会にはなったしさっそく組んだ初回授業の満足度もまずまずだったが、決まり方に課題が残った。

スタートから好調で、一方油断せず丁寧に進めた面談だった。しかし、途中で生徒の顔が強張った。模試結果の分析を正直に伝えすぎ、不安が大きくなってしまった。マズイと思ってリカバリーを図る。多少挽回はできたものの、前半のテンションには戻せなかった。

それが後を引いたのか、教室見学をしてもらった後に、どう?通うイメージ湧いた?とお決まりの質問(通塾イメージルーティン)に、「うーん、うん」と曖昧な返答しかもらえない。通塾のイメージを醸成させられなかった。

その後、なんとかクロージングまで持っていくも、保護者から「まだ塾のイメージ湧いてようなんで…」と、反対発信される。最後は腕力(早く始めたいトーク)で入会をもぎ取る後味の良くない入会となった。

どうすればもっと気持ちの良い入会になった?

⚫︎不安を煽り過ぎない。特に、スケジュール感を把握しないままペースの提案をさると、先方にとって実現不可なプランになりかねない。
⚫︎不安を確実に解消するプランを持つ。その子に合わせて、自社のサービスをどうアレンジするか。そのゴールを持ったうえで不安感を煽る。
⚫︎具体的な日にちや曜日や時間を想像させる。学校終わった後、塾に来るまで。夏休みに、塾で授業や自習に取り組む様子。それらをはっきりと想像させる。めをつぶって考えてみて、くらいの感じで。催眠術でもかけるかのように。

時間管理

募集期において圧倒的に面談数が足りない。

問合数→面談数→入会数

の順に減っていくわけなので、入会を増やすにはそもそもの問い合わせを増やさねばならない。

足りない。数が足りない。

いくら集中して面談し、入会する率をあげても、母数が足りなければ教室の規模はでかくならない。

問い合わせを起こす行動を取らなければならないが、そのための時間を捻出できていない。

現在の状況を振り返ると、
⚫︎電話対応
⚫︎講師対応
⚫︎生徒対応
⚫︎メール対応

に時間を取られることが多い。

それを減らすには。
⚫︎自分の仕事のスピードを上げる
⚫︎自分以外の人間が生徒対応できるようそだてる
⚫︎自分以外の人間が講師対応できるようにそだてる
⚫︎対応すべき案件を減らす
 (スケジュールや担当講師など、先手を打つ)

それらを実現するには。
⚫︎講師育成の機会(研修など)を創出する
⚫︎運営の仕組みをつくる

では、そこにいつ時間を割くのか。
誰と実行するのか。

考えることばかりが積まれていく。

もっとストイックにやろう。

あくまで即決を目的とする3

土曜日。

私の嫌な予感とは、親子が「来ないこと」であった。

親子が訪れた集団塾の対応者が優秀であった場合、集団の面談の後に別の塾の面談があると知るや否や、それがたとえ入会キャンセルのための面談であったとしても、生徒本人をそこへ行かせることは阻止するだろう。絶対に阻止する。母親だけを行かせ、純粋な退会面談にする。本人がいなければ、あくまでこの場合は…であるが、キャンセルの取り消しは不可能だ。

その不吉を感じていた。その可能性を強く覚悟していた。

はたして土曜日。

親子は、来た。
正確に言うと、遅れますという事前の電話があり、その予告通りに遅れて来た。遅刻の電話は吉兆だった。来るという何よりの意思表示だ。

正直に話すと、土曜日が始まる時点では、この子を預かることを私は半分以上諦めていた。
来てくれた時点で、半分くらいになった。
本人とさえ話せれば、逆転の芽はある。

深呼吸する。
面談室へ入る。

面談のときと同じように、天気の話から。
しかしすぐに違和感を感じる。
本人の表情が暗い。
その原因は?

すぐに本題に入ろうと決意する。

どうでした?

できるだけ何気無く、さらっと口にする。返答を待つのがつらい。

すぐに母親の反応。

この子、半ベソかいちゃって。

どうしたんですか?

向こうの授業が嫌だって…。

唾を飲み込む。

集団の授業、あわなかった?

うん

ダメだったか

全然、わからなかった

そうか…つらかったね

うん

ここまで会話し、やっとほぼ確信できた。大丈夫だ。この子を救うことができる。私たちのカテゴリーで。

母親も、すでに納得していた。
個別指導でないといけないと。

残りの時間ですべきことは私の中で決まっていた。

その場にいてかつ手の空いていた講師のなかで、もっとも適切であると思われる講師を選ぶ。

どうしても、その子にいい思いをして一日を終えてほしかった。

もう21:00が近づいていた。
30分足らずの短い授業。
その子は、来たときよりもずっと明るい表情で、授業ブースから面談室へ戻って来た。

…。

大きな反省があった。

今回のことは、単なる「結果オーライ」だ。
泣くほど嫌でなければ、最適でない選択を顧客がしてしまっていた可能性も高い。
私たち営業マンの仕事は、真っ向勝負の「説得」でなく、やわらかな「誘導」で顧客を最適な選択に導くことだ。

それができていれば、この子にこんなに悲しい思いをさせずに済んだのだ。

自分の力のなさが、ひとりの子どもを深く傷つけた。

猛省すべきだ。