つないだ入会
入会面談は即決が原則。
何かを買うとき、家に帰ってさらにテンションが上がるひとはいない。
購買意欲は、時間につれて減退する。
面談をしたその場において、もっとも気分が盛り上がるに決まっているのだ。
即決を目指すには、即決以外しないという決意が必要だ。
即決できないときには、その面談を捨てる覚悟。つまり、その後のアプローチも、いつ返事をくれるかといった約束もしない。それどころか、後で戻ってきても入会させない。
実際には、そんなことはできないけれど、それくらい切迫した信念が必要なのだ。
なぜか?
私たちは、どんな顧客でも預かりたいと願っている。いや、預かるべきだと信じている。
来てくれる以上、来てくれたことの期待には応えないといけない。
通塾を決意しなかった顧客は、私たちのプレゼンテーションに対し、十分な満足を得なかったということだ。
また、一度は学習をしようと思ったにもかかわらず通塾を行わなかった顧客は、再び学習の機会を得るまでに時間がかかる可能性がある。私たちの誘導の技術が甘いと、このように未来顧客に機会損失を与えることとなる。
つまり、私たちと顧客、どちらの側にも損失しかないのだ。
もし面談において「即決以外」も許すとしたら、それは当該の顧客に対しては損失を減らせるが、これから先の未来顧客の損失を増加させることとなる。
特定の顧客のために何度も面談を設定すれば、他の顧客に充てられていたはずの時間を減少させてしまう。また、即決をさせるという決意の揺らぎにより、次の顧客への対応が甘くなり、結果として後フォローの時間が増えるという負のスパイラルを引き起こす。
だから、面談は全件即決でなければならない。
これが、私が入社以来3年の間教えられ考えて来た営業哲学だ。
さて、本日対応した顧客は、なんと体験授業も含めて三回目の面談の末の入会であった。
これは恥じるべきであり、反省を余儀無くされるはずだが、一方ある先輩社員からは、「結果的に入ればいいんだよ」という言葉ももらった。
それもまた事実。
私たちはどのような信念を持つべきだろうか。
全件即決のために、即決できなかった顧客は見捨て、次の顧客のためにのみ全力を尽くすべきだろうか。
それとも、「弱者の兵法」として即決以外の営業活動も行うべきだろうか。
苦しみは続く。