徒労、あるいは。
あくまで即決を目的とする1〜3
http://hitori0406.hatenablog.com/entry/2014/07/10/013352先日の記事で、苦労して入会してもらった生徒が、やめたいと申し出て来た。
それを聞いた瞬間、ショックではあったが、焦りはしなかった。
理由はどうであれ、この退会は止められると思ったからだ。
絶対に止められる。なぜなら、僕がその子に本気でやめてほしくないと思っているからだ。
僕が自分のためでなく相手のためにやめてほしくないと本気で思っている以上、やめるはずがない。
とはいえ、手を抜いてはどうなるかわからない。
全力で対応を行う。
昨日が、退会面談のアポ日だった。
前日に、本人と電話で話していたから、本人の様子はある程度つかめていた。
精神的にかなり参っている様子であった。
母に当たり散らした、勉強のために拘束されるのが苦しくなった、と伝えてくれた。
面談では、あんなにキラキラと話してくれていたその子が、勉強が嫌になってしまったと言った。
様々な角度から話をする。
本当にやめていいか、聞く。
わからない、と返事。
印象的な言葉があった。
「やめたいと言ったときと今とでは、自分が違う」
この言葉があまりに不可解だった。
結果、僕はこの子の引き止めを諦めた。
その子は、苦しんでいた。
誰かに、やめようと言ってもらえるのを待っていた。
自分では決断できないでいた。
最後の最後、その決断を促したのは僕だった。
いつもの、最後の最後は腕力で持っていくスタイル。それが出せなかった。そんなエネルギーは残っていなかった。
あれだけ苦労して入会にこぎつけた生徒を、いともあっさりと手放してしまった。
徒労感にまみれて一日を終えた。